経口補水液について

例年より早く梅雨入りしたかと思えばしばらく晴天続き・・・先週はまとまった雨が降ったもののダムなどの水源地にはあまり恩恵はなく、はやくも水不足の心配がちらほら。夏に滅法弱い私には穏やかでない状況です。

あと遅れましたが、先日の日曜日は父の日!お父さん方、いつもありがとうございます。母の日だけだと【またお母さんばっかり・・】とスネてしまわれますのでね。

夏が近づくにつれ、気をつけなければならないのが熱中症。以前、それに関連したことをブログに書いたのですが、ブログ自体が壊れてしまいましたので、改めて書きたいと思います。

そもそも熱中症とは、屋内外を問わず高温や多湿が原因で暑熱環境下においての身体適応の障害によっておこるものの総称とされてます。

人間のからだにはイオンバランスが構成されていますが、体温が上昇すると水分と電解質(ここでは主にナトリウムイオンとカリウムイオン)が失われてしまいます。そのため体内のイオンバランスが崩れ、喉が渇いたり、頭痛・吐き気・めまいなどの脱水症状が起こります(日常生活でよくある”喉が渇いた”実は軽い脱水状態なのです!)そのために水と同時に電解質を摂取することが必要となります。ただし水のみの摂取だとイオンそのものが補給されず、そのために身体に影響を及ぼすこともありますので注意!(例:低ナトリウム血症:市民マラソンなどで長時間走行中に突然倒れこんでしまうetc.)

ではどんなものを摂取したらよいのか。ここで登場するのが今やすっかり定着した感のある【経口補水液】。改めて簡単に紹介していこうと思います。

経口補水液〔OSR:Oral Rehydration Solution〕とは食塩とブドウ糖を混ぜ、水に溶かしたもので飲用で小腸で水分の吸収が行われ、下痢・嘔吐・発熱等による脱水症状の治療に用いられる、とされています。

市販されているものとしては(株)大塚製薬が製造しているOS-1(オーエスワン)が消費者庁許可を受け、薬局などで販売されております。(2013年時点)

このような経口補水液、自宅でも作ることができます。

【経口補水液の作り方】

①水1ℓに対してブドウ糖20g、塩化ナトリウム(食塩)3.5g、炭酸水素ナトリウム(重曹)2.5g、塩化カリウム1.5gの割合で溶解したもの

②水1ℓに対して砂糖40g(大さじ4と1/2)、塩化ナトリウム(食塩)3g(小さじ1/2)

③水700ml、無塩トマトジュース300ml、砂糖40g、塩化ナトリウム(食塩)3g

※ただし心臓や腎臓に負担がかかることもあるため、前述の臓器に障害のある方やお医者さんからナトリウムやカリウムの摂取を制限されている方には適応できないこともあるため、事前に主治医に御相談されることをお勧めします。また、健康な方でも経口補水液の過剰摂取は身体に影響を及ぼすこともございますので、十分ご注意下さい。

温熱と冷却について③

今回は『RICE』についての説明です。急性期における処置に適しており、傷んだ箇所のダメージを最小限で食い止める役割を果たせますので、特にスポーツや仕事で身体を酷使される方々は覚えておくとよいでしょう。

応急処置の方法には『RICE』(ライス)といわれる4つの重要項目の頭文字をとった原則があります。

【『RICE』の4原則】

・R =Rest(安静)

・I   =Ice(アイシング)

・C =Compression(圧迫)

・E =Elevation(挙上)

◆Rest(安静)

患部周辺部が運動によって炎症反応が強くならないようするために、血液の循環を抑えたり、患部が動かないよう固定させることを目的とします。

◆Ice(アイシング)

冷やす事で炎症反応を抑え、患部周辺の細胞破壊の広がりを防ぎます。また一定の麻酔効果もあります。運動後のケアや疲労回復にも幅広く用いられている現在ではメジャーな対処法です。

・アイスバック(なければ耐久性のあるビニール袋)に氷を詰め、少量の水を加えたのち、袋内の空気を抜いてから密閉し、氷と水をなじませる。

・直に患部に当て、約15~20分冷やす。

※アイシングにおける注意点

a)寒冷アレルギー症状のある方は行わない事(必ず医師の指示を仰ぐ)

b)氷ではなく氷水で行うのは、水を含む事で最低温度を0℃以上に保つことができるからです。これにより、患部にあたる表面の皮膚の低温やけどを防ぎかつ、炎症を起こしている深層部位を冷やすのに効果的です。

c)炎症が強い場合、1時間おきに繰り返しアイシングを行うとよいでしょう。

◆Compression(圧迫)

患部へのアイシングの際、アイスバックがずれない程度の強さで圧迫してやる。患部周辺の動脈を圧迫させ、内出血の広がりを抑えるのに有効です。

但し、強すぎる圧迫はうっ血してしまうので、力加減には十分注意が必要です。また、包帯などの伸縮性のある素材が使用に適しています。

◆Elevation(挙上)

患部を心臓より高い位置に挙げる事で、損傷によって起きた細胞液や血液が患部にいかないようにする大切な処置法です。

このような応急処置を施すだけで、症状のダメージや回復具合はかなり変わります。難しい・・と思われる方も多いとは思いますが、やってみると思った以上に簡単。お役立ていただければ幸いです。

温熱と冷却について②

前回、ご自身で出来る対処法について簡単に書きました。今回は少し掘り下げていこうと思います。

冷やす』(冷却)などの処置が必要な場合・・

例えば、動こうとした時、急にズキッと鋭い痛みが走った・何かモノ等にぶつけた・転んだ、等急性的な症状で、患部に触れてみると明らかに腫れや熱を持ち、炎症が起こっている状態。

このような場合、速やかに氷を使用してしっかりと炎症反応を抑えることが大事です。応急処置を迅速に施すことで、損傷した部位の更なる被害を食い止め、最小限のダメージで抑えることができます。

『温める』(温熱)

これらは主に炎症が治まったあとに用いられる療法です。温めることで体内に細胞が活性化し、損傷した部位の修復作業を活発に促すことができます。それによって通常より早く傷ついた箇所を再生させる手助けをします。

このように、状態によっては真逆の処置を施さなければならない事もあるので、見誤らないよう、十分ご注意下さい。どんな状態かよくわからない・・・そのような時は、痛みのある部位と全く痛みのない部位を触り比べてみて下さい。明らかに熱感がある場合は、冷却が必要ですので、直ちにアイシングを行って下さい。

また、あくまでもこれらは応急処置であることをお忘れなく、必ず病院等の専門機関で診ていただく事をお勧め致します。

次回はスポーツ等でも取り入れられる『RICE』という応急処置についてお話し致します。頭の片隅にでも置いていただけたら、いつかきっとお役に立てると思います。