feel good と well beingの話

はじめまして。

2012年6月末に新江古田駅からあるいて30秒のところにTOMOカイロプラクティックを開院する平野智久です。

これからこのBlog「待てばカイロの日和あり」で、いろんなことを書いていきます。カイロプラクティックや生活習慣、食についてはもちろん、そのときどきに思うことなども書いていくつもりですのでぜひ覗きに来てください。

当院のモットーは「feel good と well being をあなたに」なのですが、なぜこのモットーにしたのか説明します。

ホームページオープニングのスライドショーにもありましたが、私は学生の頃、陸上競技の長距離選手でした。毎日のように何10キロと走り、0.1秒でも短縮できるよう頑張っていました。10キロ走るうちの0.1秒はほんのわずかな差です。しかし、その0.1秒が勝負を分けることがあります。だから、その0.1秒は陸上競技をする人間にとっては大きな差なのです。そのようなギリギリの練習をしていると、些細なからだの不具合も大きな問題になることがあります。日常生活には何の支障もないかもしれませんが、競技者にとっては悩みの種です。

しかし、私は膝を痛めてしまいました。

高1の冬、小さいからだを酷使したのが原因なのか、元々からだは強くなかったのに加え、膝の違和感を感じつつも練習を続けていたところ、突然膝にズキンという痛みが走り、しばらく歩くことすら困難な状態になりました。

当時は現在ほどスポーツ医学が発達していないこともあり、たいした処置もせず騙し騙し走り続けました。

あとで精査してわかったのですが、半月板損傷により軟骨部分がすり減っていたのが原因でした。これはX線だけでは判別できません。

最初に行った整形外科では診断しきれず、また長距離種目をやっているとのカルテ内容から安易に「“ランナー膝”だからしばらく安静にしてれば大丈夫」と診断をされてしまいました。

次に行った整形外科では「単なる走りすぎだから問題ない」とそこでも一言で片づけられてしまいました。

確かに日常生活には問題ありません。しかし、当時箱根駅伝を走ることを夢見ていた私には大きな問題だったのです。先生たちには私の気持ちを理解してもらえませんでした。確かにプロの選手でも、オリンピックの選手でもないいちランナーの私では、はたから見れば走ることをやめれば済むことと思われたでしょう。しかし、それでは私自身が納得できませんでした。

それ以降、脚を治すためにいろんな先生のところに行きました。しかし、どの先生に会っても「これなら問題ない」と言われてしまうのです。痛みは外からは見えません。私だけが感じている痛みをなかなか理解してもらえませんでした。あまり強く訴えると「それなら手術しないとだめだね」と言われてしまいました。

そんなとき、ある代替医療の先生を紹介されました。その先生は私のこれまでの経緯、思いを最後まで聞いてくださり、私の脚を診た上で「一緒に治していきましょうね」、そうやさしくつぶやいてくれました。

うれしかった。その先生のもとへ通ううちに、いつかは自分が誰かに「一緒に治していきましょうね」と言えるようなひとになりたいと思いました。

大学を卒業するときには一般企業に就職しました。その当時はビジネスマンとして企業で働くことが当たり前という時代だったからです。月日を重ねていくうちに、お世話になったあの先生のことを時々思い出すようになりました。

そして、いつしか学生時代に思っていたこと、「自分自身の手で人を笑顔にできる仕事をしたい」との思いが日に日に強くなってきたのです。悩みに悩んでいろいろ調べた結果、カイロプラクティックを学ぶ決意をしました。再出発に備え、専門学校に通う学費や生活費などを蓄え、会社を退職しました。

カイロの専門学校で一生懸命学び、アメリカへ海外研修に行きました。また個人的にインターン実習にも行き、卒業しました。

将来の勉強のために個人で開業しているカイロプラクティック院に勤め、そののちフランチャイズ展開している会社に勤務し、学校では得ることのできない多くの貴重な知識や技術、体験をさせてもらうことができました。

そのうちに私が得たのは、患者様ご自身の意志が治癒に大きな影響を与えると言うことです。

学校でも習いましたし、頭ではきちんと理解していたつもりです。しかし実際に現場で働いているうちに単なる理解ではなく、より深い確信に変わっていきました。

この確信に従い、どうしたら患者様自身が意志を明確にできるのか。ご本人が「治したい」と心の底から思うきっかけは何かを考えました。しかし、本人ではない私がそれを与えるというのはとても難しいことです。答えはなかなか得られませんでした。

当時勤務していたお店からこんな課題を出されました。

「このカイロ院が治療の場となるためにできることをしなさい」

悩みました。お話している間に一度は患者様に笑ってもらうよう工夫もしました。笑いは免疫力を上げるというからです。しかし、すべての患者様にとって笑うことがいいことかどうかはわかりません。無口なかたには鬱陶しがられることもあります。香りや音にも気を配りました。それもひとによって効果は違います。うまくいくひとといかないひとが現れます。いろいろ模索した結果、得られた答えはとてもシンプルなものでした。

そのかたが心地よいと思えることをする。そして、お話ししている中でご本人が自発的に回復に専念できるようにお手伝いをする。

これもごく当たり前のように思われることです。しかし、その言葉の奥にとても深いものが隠されています。

経験と集中。

自分がそのことに関して長い時間をかけて体験したり考え続けないと得られない大切なものがそこにはあったのです。その大切なことをモットーにしたいと思いました。そしてたどり着いた言葉が
「feel good と well being をあなたに」
です。

文法的には「feeling good と well being」が正しいのかもしれません。

だけど何度も言葉にしてみて言ったときの感覚が「feel good と well being」のほうがよかったのでそうしました。

「feel good」は心地よいと感じること。「well being」は「福祉」と訳されることもありますが、ご本人が幸せで健康と感じている状態のことです。

陸上をやっていた頃の私は、膝のわずかな痛みで「well being」を失っていたのです。そして「feel bad」でした。

ところが、あの代替医療の先生に出会うことで「膝は痛いけど治療しながら前向きに生きている自分」という「well being」を取り戻し、「feel good」に向けて歩き始めた私は、少なくとも「feel bad」からは抜け出せました。

カイロプラクティックの要は自己治癒力です。神経や骨、筋肉を正常なはたらきに近づけることでご本人の治癒力が活性化して回復していきます。

私たちはつい健康な状態が普通のこと、何か疾患があれば異常なことと考えがちです。でも実は逆なのかもしれません。私たちが健康に過ごせていることが実は奇跡的なことで、このからだが疾患を起こすことは当たり前のことなのかもしれません。そう考えると健康であることがとても素晴らしいことだと気づかされます。この素晴らしい状態を維持しているからだが、ときどき何かを忘れたとき、それを思い出してもらえるように力を添えるのが私の仕事なのです。

私の脚を治してくれた先生も、きっとそのことを知っていたからこそ「一緒に治していきましょうね」と言ってくれたのだと思います。

もしあなたのからだが「feel good」と「well being」を忘れたようでしたら、そのときに少しだけ私にお手伝いさせてください。そのためのTOMOカイロプラクティックです。